第1回 見た目偏重社会の中で

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┃  「見た目」の問題を考える (by 外川浩子) ┃
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第1回 見た目偏重社会の中で
1、現代社会(見た目偏重社会)

「人は見た目じゃない、中身だ。」確かにその通りです。でも、現実の社会を
見渡してみると、「<外見の美しさ>こそ、すべて」と言わんばかりです。

あふれかえっているファッション雑誌、氾濫するダイエット情報、外見の美し
さに対するマスコミの過熱報道。しかも、ものすごいスピードで情報が飛び交い、
過ぎ去っていきます。
日本人女性は、世界1おしゃれだそうです。とくに10代や20代の若い女性
の美に対するこだわりはスゴイ。小学生までもがメイクやダイエットに夢中です。
人は、なぜ、こんなにも「見た目」に左右されるのでしょうか。
2、キレイじゃなければ幸せになれない?

けっして「キレイ」を否定するわけではありません。伊東美咲さんとか仲間由
紀恵さんをテレビで見るたびに、なんであんなにキレイなんだろうって、うらや
ましく思います。私だってキレイになりたい。
だけど、美容整形までする小学生がいるというのは、行き過ぎだと思いません
か。「キレイになりたい」とあこがれるのはいいけれど、「キレイじゃなければ
幸せになれない」なんて、そんなことは絶対にありません。
現代は、あまりにも「見た目」が重視されています。このままエスカレートし
ていけば、本当に「見た目だけがすべて」という世の中になり、誰にとっても生
きづらい社会になってしまうでしょう。
3、見た目偏重社会の中で

そんな「見た目」が重視される社会の中で苦しんでいる人たちがいます。生ま
れつき顔や体にアザがあったり、ヤケド、キズなどの症状を抱え、生きづらい思
いをしている方々です(ユニークフェイス当事者 ※1)。
現在、日本には、およそ80万人(約150人に1人)いると思れます。

この連載では、ユニークフェイスという事象を解きほぐし、ユニークフェイス
という視点から「見た目」の問題を探究していきます。そして、私たちにとって
「見た目」とはどんな意味があるのか、自分らしい顔、自分らしい生き方とはど
のようなものなのかを、みなさんといっしょに考えていきたいと思っています。

(続)

※1 ユニークフェイス
NPO法人ユニークフェイスでは、顔や体にアザ、ヤケド、キズなどの症状が
ある人たちを「ユニークフェイス当事者」と表現し、彼らの声を社会に発信して
います。

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