第3回 「見た目」の問題の当事者とは
第3回 「見た目」の問題の当事者とは
「見た目」の問題の当事者には、狭義と広義があります。MFMSでは、たん
に「当事者」という時は狭義を指しています。
1、狭義:ユニークフェイス当事者(顔や体にアザ、キズ、ヤケドなどの症状が
ある人たち)
(1)ユニークフェイスとは
1999年3月、民間団体ユニークフェイス(現NPO法人ユニークフェイス ※1)
が設立しました。「ユニークフェイス」とは、団体設立の際に発起人たちによっ
て作られた言葉です。
ユニーク(unique)というと、「面白い、愉快な」という意味を思い浮かべる
でしょうが、第一義的には「唯一の、独特の、固有の」という意味なのです。つ
まり、ユニークフェイスとは、「固有の顔」ということです。そこには、彼らの
こんな思いが込められています。
≪(前略)・・・人はみんなそれぞれの「顔」をもっています。私たちの「違い」
も人の「違い」と一緒のはずで、それぞれが尊重されるべき人格をもった存在で
す。そうです。私たちはたんに固有の顔(ユニークフェイス)をもっているだけ
なのです。この顔をもつことに否定的な意味や、哀れみや、特別な意味はないの
です。・・・(後略)≫(『知っていますか?ユニークフェイス一問一答』より)
なお、「ユニークフェイス」には二つの意味があります。NPO法人ユニーク
フェイスという団体を指す場合と、顔や体にアザ、キズ、ヤケドなどの症状があ
る人(「ユニークフェイス当事者」「ユニークフェイスな人たち」と表現します)
を表す場合です。
(2)主な症状
・単純性血管腫(赤アザ)
・太田母斑(青アザ)
・口唇・口蓋裂
・ケロイド
・顔面神経麻痺
・白斑
・脱毛症
・レックリングハウゼン病
・アトピー性皮膚炎
など
※それぞれの症状については、別途、詳しく説明します。
(3)人数
イギリスには、約40万人いるといわれています。
現在、日本では、正確な人数はカウントされていませんが、日本の人口はイギ
リスのほぼ2倍なので、日本には、約80万人(約150人に1人)いるのです。
また、主な症状である単純性血管腫は約36万人、太田母斑は約20万人、口唇・
口蓋裂は約24万人います。
この人数を合計しただけで約80万人になることからも、おおむね正しい数字だ
といえるでしょう。
2、 広義:ユニークフェイス当事者 + 身体障害者
現在、日本には、身体に何らかの機能障害をもった方が、約350万人います
(『障害者白書』平成19年度版より)。彼らもまた、その障害とは別に「見た
目の違い」によるつらさがあります。
(続)
※1 NPO法人ユニークフェイス
NPO法人ユニークフェイスでは、顔や体にアザ、ヤケド、キズなどの症状が
ある人たちを「ユニークフェイス当事者」と表現し、彼らの声を社会に発信して
います。
NPO法人ユニークフェイス ホームページ:http://www.uniqueface.biz//
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~当事者のみなさまへ~
文章中、失礼な表現があり、気分を害されたかと存じます。「見た目」の問題
を分かりやすく説明するためやむを得ないこととご容赦ください。ご了承のほど、
どうぞよろしくお願いします。
~連載にあたって~
『「見た目」の問題を考える』では、これまで交流のあった当事者の方々から
のご意見・情報、専門家から教えていただいた事、書籍やインターネットで調べ
た事柄等々をもとに講演で話してきた内容を中心に書いています。
「見た目」の問題にあまり触れたことがない方にも理解を深めていただくため、
内容が重複したり、説明を繰り返す場面も多々あるかと存じますが、ご了解のほ
ど、どうぞよろしくお願いします。
(MFMS代表:外川浩子)