Vol.05 イメージとの闘い -前編-
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イメージとの闘い -前編- ( 『さらば青春の光』 について)
人のことを理解する、というのはむつかしい。人は結構簡単に、他人のことを
理解した気になったりするけど、他人のことをまるまる理解するというのは、不
可能に近い。だけれども、私たちは、過去に交わした会話や風貌やイメージなど
から勝手に「あの人はこういう人」という偶像を作り上げ、その偶像にそぐわな
い対応や態度をとられると、「裏切られた」と思ってしまったりする。
そういう私も、思い込みは激しいほうだな、多分。
私はこのメルマガが、どんな人達に読まれているのかわからないし、具体的な
想像もできない。なんで、まあ、非常にゴーマンなのですが、「その時に書きた
いと思ったことを書いていく」ことにしています。それでしか書けないから。
(というか、前回★4つだったし、ここで<MFMSと関係が薄くても、書きた
かったもの>を入れるから、許してね、読者の皆様。スンマセン、代表。)
で、今回は映画評です。タイトルは『さらば青春の光』。しかし、なんつー題
名だ。恥ずかしい。ちなみに原題は「四重人格」。といってもアルジャーノンみ
たいな話じゃない。古い映画なんだけど(ネットで調べたら79年公開)、こない
だ新星堂でDVDが出てるの見つけてさ、「あー懐かしいな」とか思って。さす
がに買わなかったけど。
ザ・フーが好きな人、モッズ好きの人は当然見てる映画だけど、一般的な認知
度がどのくらいあるのかはわかんない。あ、ポリスでデビューする前のスティン
グが、役者として出てる映画としても、一部では有名ですね。
私は高校生の時に友達に勧められて見た。その友達がモッズ好きで。その頃は、
今みたいにモッズが再評価される前で、この『さらば青春の光』もレンタルビデ
オ屋に全然置いてなくって、けっこうさがした記憶がある。
ザ・フーもモッズも知らん! という人もまあ、まあ。別に知らなくっても、
普通に見られる映画ですから。ストーリーは、シンプルな青春物で、ザ・フーの
コンセプトアルバム「四重人格」をベースにして作られている。
主役のジミーは、モッズ(っていう若者グループが昔イギリスで流行った。)
の青年。昼はメールボーイとして働き、夜はモッズスーツに身を包み、べスパ
(スクーター。ランブレッタだったかも)を乗り回し、対立するグループ、ロッ
カーズ(こっちは革ジャンにリーゼント)と抗争し、仲間たちとドラッグをキメ
て、音楽を聴き、踊る享楽的な日々を送っている。
ところが、ある日ケンカしたロッカーズの中にジミーの幼馴染がいて、仲間と
ギクシャクし始め・・・、更に好きだった女には振られ、職も失い・・・。ボロ
ボロになっていくジミー。ここのたたみかけ方が映画としてなかなか上手く、見
ているほうもジミーが(自業自得な所も十分あるんだけど)可哀想になってくる。
そして、すべてに失望したジミーは、盗んだスクーターを突っ走らせ・・・。
といった感じのお話。
(後編に続く)