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第4回 カバーメイク(1)

2010年1月7日

 第4回 カバーメイク(1)
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目次:カバーメイク
1 カバーメイクとは
2 歴史(「カバーマーク」誕生から日本導入まで) 
3 日本における現状
4 カバーメイクの功罪

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1 カバーメイクとは

 カバーメイクとは、アザやキズをファンデーションでカバーして、目立たなく
するメイクのことです。普通のファンデーションよりもカバー力の高い、カバー
用ファンデーションを使用します。

 日本では、カモフラージュメイク、カモフラージュセラピー、スキンカモフラー
ジュ、メディカルメイクアップ、セラピーメイク、リハビリメイク、メディカル
カバーメイク等々、各企業や団体等により、様々な呼び方がされています。
 なお、欧米では、カモフラージュメイク(camouflage make up)またはカモフ
ラージュセラピー(camouflage therapy)という呼び方が一般的です。

2 歴史(「カバーマーク」誕生から日本導入まで)
1928年 米国の女性リディア・オリリー氏が、カバー用ファンデーション「カバー
    マーク」を開発(後に、カバーマーク社を設立)。
戦後  沢田美喜氏(※1)が「カバーマーク」日本導入に力を注ぐ。
    原爆乙女(※2)がニューヨークにて「カバーマーク」の施術を受ける。
1960年 ジャパン・オリリー(オリリー株式会社)設立。
    全国皮膚科学会にて「カバーマーク」を紹介。大きな反響を呼ぶ。
    日本にて「カバーマーク」製造販売開始。
(1)「カバーマーク」誕生 ~カバーメイクの始まり~

 カバー用ファンデーション「カバーマーク」の発明が、カバーメイクの始まり
です。
 「カバーマーク」を発明したアメリカのリディア・オリリー氏は、顔の左側に
大きな赤アザのある女性です。彼女は、大学卒業後、あるデパートの就職試験を
受けましたが、「アザがあるため、接客業は不向きである」との理由から断られ
てしまいます。その後、独自に研究を重ね、ついにカバー用ファンデーションを
発明し、「カバーマーク」と名付けました。
 マーク(mark)とは「アザ」という意味です。つまり「カバーマーク」とは
「アザをカバーするもの」ということ。まさに“必要は発明の母”、当事者自身
の必要性から生まれたファンデーションなのです。
(2)日本への導入

 この「カバーマーク」を初めて使った日本人は、原爆乙女です。治療の後、
ニューヨークのカバーマーク相談室を紹介され、そこで贈られた「カバーマーク」
を日本に持ち帰ります。「カバーマーク」が初めて日本に持ち込まれたのはこの
時です。しかし、自分に必要な分しか持っておらず、他の当事者へ分け与えるこ
とはできませんでした。
 他方では、沢田美喜さんが「カバーマーク」の日本導入に力を入れていました。
戦後の混血児救済の担い手として高名な彼女は、当初、肌の色の違いで差別され
る子供たちのために「カバーマーク」に注目したようです。その後、原爆乙女や
アザのある女性、その他「カバーマーク」を必要とする大勢の当事者のために、
日本導入に尽力されました。

 その結果、1960年、ジャパン・オリリー(オリリー株式会社)が設立され、全
国皮膚科学会での発表、特許獲得を経て、日本で製造販売することが可能となり
ました。

 また、オリリー社設立には、もう一人、当事者の女性が大きな役割を果たして
います。『出会い、そして奇跡 愛の灯を点して25年』の著者、仲川幸子さん
です。彼女は黒皮症(※3)の当事者でした。
 仲川さんは「カバーマーク」のデモンストレーションのモデルをつとめながら、
アメリカ人技術者に直接指導を受けるなど、努力を重ね、カバーメイクの技術を
習得されました。そして、カバーマークアーティスト日本人第1号となり、その
後も日本全国を飛び回って、カバーマークの日本普及に大きく貢献されました。

(続)

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※1 沢田美喜(さわだみき)
 社会事業家。三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の孫娘。敗戦後、エリザベス・サ
ンダースホームを創設し、アメリカ軍兵士を中心とした連合軍兵士と日本人女性
の間に生まれた混血孤児たち、およそ2000人を育てました。
※2 原爆乙女(げんばくおとめ)
 広島で被爆して顔や体にケロイドを負った若い女性25名が、1955年、形成手術
のために渡米。彼女たちは「原爆乙女(Hiroshima maiden)」と呼ばれるように
なりました。
 原爆乙女のアメリカでの治療のニュースは日本でも話題となり、彼女たちの帰
国後、原爆医療法が制定されました。
※3 黒皮症(こくひしょう)
 化粧品などによる接触皮膚炎によって、正常では表皮にあるメラニン色素が真
皮に落ち込み、濃褐色から紫褐色の強い色素沈着を起こします。まるでそこだけ
入れ墨をしたようになってしまいます。
※参考資料
『出会い、そして奇跡 愛の灯を点して25年』(仲川幸子・著)
グラファ ラボラトリーズ株式会社のホームページ http://www.grafa.jp/
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ほか

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~当事者のみなさまへ~

 文章中、失礼な表現があり、気分を害されたかと存じます。「見た目」の問題
を分かりやすく説明するためやむを得ないこととご容赦ください。ご了承のほど、
どうぞよろしくお願いします。
~連載にあたって~

 『「見た目」の問題を考える』では、これまで交流のあった当事者の方々から
のご意見・情報、専門家から教えていただいた事、書籍やインターネットで調べ
た事柄等々をもとに講演で話してきた内容を中心に書いています。

 「見た目」の問題にあまり触れたことがない方にも理解を深めていただくため、
内容が重複したり、説明を繰り返す場面も多々あるかと存じますが、ご了解のほ
ど、どうぞよろしくお願いします。
(MFMS代表:外川浩子)

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