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Vol.15 「芥川スズキ」 -前編-

2010年1月4日

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「芥川スズキ」 -前編- ( 『鼻』 芥川龍之介 + 松尾スズキ )

さてと、忘れた頃にやってくるボーダです。・・・相変わらず原稿書けない。
書けないったら、書けない。なんだろ、「ボーダ」つう名前が悪いのかな? ド
ンくさい感じだし。だらしなさそうだし。なんか、ゴミだらけの部屋の中でポテ
チ片手に、ギトギトになった指を舐めながらキーボードたたいて原稿書いて、み
たいな感じしない。・・・<ターボ>に改名しようかな。速いし。

冗談はこれくらいにして、さて、今回取り上げるのは芥川龍之介です。考えて
みると純文学つうか、こういう教科書に出てくる人の作品を取り上げんの初めて
だなあ。
で、『鼻』なんですけど、これは芥川が24歳の時の作品で、この『鼻』を夏目
漱石が激賞し、芥川は華々しい文壇デビューを飾る。その後も、短編を中心に傑
作をやつぎばやに発表するが、35歳の若さで自殺してしまう。したがって、彼が
名の知れた作家として活動していたのは、わずか11年ということになる。彼の作
品を読んで思うのは、「ああ、芥川ってホント、センスのいい人だったんだな」
ということ。芥川って、構築度とイメージ喚起能力が高いし、文章も上手いから、
ほとんど「極上の一品」と化している作品が多い。

『鼻』は、有名な作品だから、読んだ人も多いでしょうが、一応「あらすじ」
を。「あらすじ」というか、ほとんどストーリーの最後まで書いちゃうんで、内
容を知りたくない人は、ここからは読まないで下さい。
主人公は、僧侶である禅智内供(ぜんちないぐ)、年は五十歳を超えている。
この内供さん、悩みの種は、自分の「鼻」で、これがすごく長かった。どれくら
いかと言えば、鼻の先っぽは、口を通り越して、あごの下までたれさがっている
くらい。
内供さん、普段は鼻のことなど気にしていない風を装っているが、実際は、始
終鼻のことを気に病んでいた。治療もいくつも試してみたが、まったく効果がな
い。しかしある日、弟子の僧が医者から鼻を短くする方法を教わってくる。弟子
に勧められ、その方法を試すと、彼の鼻は、普通の鉤鼻と変わらないほどに短く
なる。内供さんは満足し、はじめてといってもいいような、のびのびとした気分
に浸る。
ところが、数日経つうちに彼は気づく。みんなの様子がおかしいのである。鼻
が長かった頃よりかえって笑われたり、じろじろと鼻を見られたり。
「こんなことなら長い鼻のままのほうが良かった」と悩む内供さん。するとあ
る日の夜、ふいに鼻がむず痒くなり、手を当てると、鼻はむくみ、熱を持ってい
た。翌朝眼が覚めると、鼻は元の長さに戻っていた・・・。
鼻が短くなった時と同様に、内供さんは、はればれとした気分に浸る。

という内容。さすが芥川。物語の完成度は高いです。治療のシーンなんて映像
が浮かんでくるし、全体的に上品で、かつユーモラスだし。ただ、もう何十年も
前の作品ですからね。そりゃ現代の小説の方が、楽しめるって人がほとんどだと
思うけど。
この『鼻』は、大人向けに書いた小説なんですけど、基本的な構成は、子供向
けに書いた『杜子春』や『蜘蛛の糸』と一緒ですね。寓話です。しかし、芥川っ
てホントに「場面」を作るのうまいなあ。読んだことある人なら、『杜子春』の
馬になっちゃったお母さんが、鞭で打たれるシーンとか、『蜘蛛の糸』の、地獄
に天から糸が垂れている場面、とかすぐ<映像>として思い出せるでしょう。

(次回に続く)

→Vol.16 「芥川スズキ」 -後編-

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