[K]当事者の“未来像” 当事者の“大人” 当事者の“笑顔”

アルビノ理事:粕谷幸司コラム

アルビノ脱毛症血管腫眼瞼下垂…。
そのほかの様々な「見た目問題」当事者が内包する問題/孤立をなくすべく、NPO法人マイフェイス・マイスタイルは日々活動しています。
(前回の記事:[K]当事者団体ではなく、「見た目問題」ネットワークもご参照ください)

そして、その“孤立”をなくすためのひとつの解決策として、季刊誌:「見た目問題」総合情報誌『マイ・フェイス』を発行しているのですが。

情報誌を制作するにあたって、MFMSはいくつかのコンセプトを、強く意識しています。


▲電子書籍(PDF版)の『マイ・フェイス』も、大プッシュ中です。

ひとつ、もっとも大切にしているのは…「笑顔の写真を多用する」ことです。
「見た目問題」は、その対象としている症状は様々ですが、共通して顔や体など「見た目」に症状があり、孤立とともに個人の中に“悩みを抱え込みやすい”という現状があります。
顔などの「見た目」というのは、ほとんどすべての人の意識の中で、その人を印象づける大きな要因であることは、まったく否定できません。
そのため、その「見た目」に症状があるということが、他人との接し方を難しくする(またはそう感じさせてしまう)要因にもなりやすく、当事者の中には「人と接するのが苦手」と感じ、自分には“(症状があるから)楽しくコミュニケーションすることは無理だ”と、思い込んでしまっている方も少なからずいるようなのです。
この悩みは、MFMSが考える孤立の中でも、とても根深いものです。
「この「見た目」だから、普通に楽しく生きることは無理なんだ」と思い込んで、孤立を進めてはいけない。
悩みを抱えている人がいる、ということを真正面から受け止めた上で、本当は“楽しく生きて良いんです”ということを伝えたい。
なので、情報誌『マイ・フェイス』を制作する上では、その“楽しく笑う”という生き方を肯定するという意思表示としても、当事者の“笑顔”の写真を、誌面で多く掲載しています。

次に、笑顔と同じくらい意識しているのは“生きている大人を描く”ことです。
「見た目問題」は、前記したとおり「当事者が、個人の中に悩みを抱え込みやすい」という現状があります。
また、アルビノなどの症状に代表されるように、その実態がまだまだ不明確なことも多く、当事者が「よくわからないまま生き続ける」ことにもなりやすい。
そのため、先天性のもの・後天的なものを問わず、多くの当事者が「このあと自分はどうなるのか?」「どう生きていけばいいのか?」という難問を抱えることが頻繁にあります。
これは、当事者の家族(特に親)にとってもさらに深刻な悩みで。「見た目」の症状を持った子供が「このあとどうなるのか?」「どう育てていけばいいのか?」という難問に直面することが多いと聞いています。
ですので、情報誌『マイ・フェイス』はよく、大人の当事者に登場していただいています。
そして、笑顔とともに。「大丈夫、この先も人生を楽しめます」という、モデルケースにもなり得るように、ある意味カッコ良く描いています。
当事者へ、そのご家族へ。当事者は自分だけじゃない、仲間がいる。人生の先輩もいる、楽しく生きている大人がいるということは、いま伝えるべき大切なテーマだと考えています。

これらのコンセプトを持って。
100万人の「見た目問題」総合情報誌『マイ・フェイス』は、当事者の“未来像”を明るく照らし出し、これからの人生を楽しく過ごしていけるよう、当事者やそのご家族へ向けて、メッセージを送り続けています。

生き方に迷ってしまう当事者がいたら、ぜひこの情報誌を読んで欲しい。
育て方に悩んでしまう当事者の親なら、この情報誌で少し、安心して欲しい。
「楽しく生きる」という選択肢を、できる限り提示することが出来れば…!

そう願い、NPO法人マイフェイス・マイスタイルは、情報誌『マイ・フェイス』を、当事者へ向けて制作し、発行しているそうです。


ちなみに、粕谷幸司とは・・・

粕谷幸司 – かすやこうじ
日本アルビニズムネットワーク – JAN、Web担当。日本大学芸術学部映画学科シナリオコース卒。IT企業への就職を経て、現在フリー。日本初のアルビノ・エンターテイナーを自認し、ブログ執筆やWebラジオなどで活動中。

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