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Vol.09 「恋愛」と「コンプレックス」Ⅱ

2010年1月4日

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「恋愛」と「コンプレックス」Ⅱ(ヴィンセント・ギャロの 『バッファロー’66』 について)

お久しぶりです、ボーダです。つってももう忘れられてっかなあ。いやあ、悪
い、代表。一度休んだら、休みグセがついちゃって。こういうのは書き続けない
とダメだな。早くもネタギレ気味ってのもあんだけど。ま、気を取り直して、ぼ
ちぼち再開します。

何回か前に、「恋愛」と「コンプレックス」にからめて吉田秋生の『桜の園』
を紹介したけど、今回はその続編、取り上げるのは、ヴィンセント・ギャロの映
画『バッファロー’66』についてです。
私はもうここ10年くらい映画もマンガもあんまり見てなくってさ。高校から大
学までがピークで、社会人になってマンガは読まなくなって、映画もあまり見な
くなった。マンガはハマるとまずいから遠ざけてるトコもあるんだけど。たまに
ビデオ借りてきても、面倒だからハリウッド製の売れセンのやつだったりして。
会社から帰ってきて疲れてるときに、難しい映画には手が出ない。そんな時はハ
リウッドの娯楽映画が一番良くってサ。でも、このメルマガでそのテのモノを取
り上げるのもなんか違う気がするし。だからこの連載には、古いのばっかり出て
くるけど、「古くてもいいものはいい」をモットーに進めていきます。
で、最近見た恋愛映画じゃ『バッファロー’66』が一番良かったなあ、と思っ
てネットで検索したら、なんと98年作品。ゼンゼン最近じゃなかった。時の流れ
の速いこと・・・。
ヘンなタイトルでしょ『バッファロー’66』って。バッファローってのはこの
映画の監督・脚本・音楽・主演をこなしたヴィンセント・ギャロの出身地<ニュー
ヨーク州バッファロー>からで(映画の舞台でもある)、’66はギャロが演じる男
「ビリー・ブラウン」の生まれた年。ちなみに、ギャロ本人は1961年生まれ。
物語は刑務所を出てきた男、ビリー・ブラウンがトイレを探すシーンから始ま
る。もうこの冒頭のシーンからしてヘンでさ。トイレを探すだけのシーンにいっ
たい何分使うんだよっていう。ビリーがなんで刑務所に入っていたのかは謎のま
ま話は進んでいく。ビリーは両親に刑務所で服役してたことを隠してて、仕事で
遠くに行ってたことにしてあるんだ。そのうえ、なぜだか母親に電話で「女房を
連れて帰る」と約束してしまって・・・、女なんかいもしないのに、さあどうし
ようっていう話。
ギャロが演じるビリーが、もうコンプレックスの塊みたいな男で、神経質でワ
ガママで情けなくって精一杯虚勢張ってて、不器用で、でも憎めないんだ、かわ
いそうなトコも結構あってさ。女の人は「あんな人やだ」の一言で終わりかもし
んないけど。
ギャロの相手役が、『アダムス・ファミリー』のクリティーナ・リッチ。ワガ
ママでいいたい放題(でも情けない)のビリーを底なしの包容力で包み込むやさ
しいコの役。ギャロに食われちゃってるけど、なかなかいい。
『桜の園』の時に、<恋愛のいいところは、相手に受け入れられていくことで
コンプレックスが少しづつ解消されていくこと>って書いたけど、この映画がそ
のマンマ。現実にはあんな天使みたいな性格のコ、いるはずないけど。ビリーみ
たいな情けない男は、・・・けっこういそうだなあ。・・・あっ、俺も近いかも
しんない。
ギャロが映像(絵コンテ?)も音楽もやってるわけだけど、イイです。テーマ
ソング?もカッコいい。<タランティーノ以降>って感じはするけど。つっても
アクションは一切ないよ。ビリーのファッションもダサかっこいい感じだし、ボー
リングのシーンとか、笑える。
ああ、そういえば途中でミッキー・ロークとJ・M・ビンセント(『ビックウ
エンズデー』)が出てきて、出てるの知らなかったからびっくりした。特にJ・
M・ビンセント。一体何年ぶりで見たんだろう。(ボーリング場のオヤジの役の
人ね)
<ニューヨーク州バッファロー>なら、ニューヨークから遠くないんだろうか
ら、さほど田舎じゃないように日本人は思っちゃうけど、むこうはだだっぴろい
から、映画見る限りじゃ田舎で、ビリーの両親もやることないからかテレビばっ
かり見てる。ニュースや映画に出てくるアメリカは、ロサンゼルスとかニューヨー
クの中でも都市部ばっかりだから「街」のイメージがあるけど、そんなのちょこっ
とで、こういう地方都市がいっぱいあるんだろうね。地方都市でもないホントの
田舎ももちろん。
余談だけど、前に読んだ大瀧詠一と内田樹の対談のなかで、内田樹が村上春樹
の体験したエピソードを紹介してて、村上春樹がアメリカを車で横断してたら
(広いから2週間とかかかるんだけど)ラジオから流れてくるのがもうず~っと
カントリーで、どの局に変えてもダメでひたすら延々とカントリーを流し続けて
て気が狂いそうになったって。両サイドの都市部じゃロックだヒップホップだっ
てやってても、真ん中じゃそんなの関係ないんだって。
話がそれた。短くまとめちゃうと、『バッファロー’66』は、<愛情を受けず
に育てられた男が、どうやって愛情を表現できるようになるか>のお話です。
ラストが良くってさ、この映画。なんとも幸せな気分にさせてくれる。
レンタルDVDで、何借りようか、迷った時は借りてみて下さい。オススメで
す。(まあ、今回は肩慣らしってことで。MFMSとの関係は・・・薄いなあ。)

(了)

→Vol.10 酒とタバコ

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