マイフェイス・マイスタイルからの大切なお知らせ(2019年12月22日)

 いつも私たちNPO法人マイフェイス・マイスタイル(MFMS)をご支援いただきありがとうございます。
 さて、今年の秋頃から、SNSで、「見た目問題」という言葉やMFMSの活動に対して非難されている方々が散見されました。それらが正当な批判ならば全く問題ないのですが、事実誤認や言いがかりのような内容が見受けられました。
 そして、その非難を目にした方たちの中には、まるで自分自身が責められているように感じて傷ついている方もいらっしゃいます。
 そのような理由から、NPO法人マイフェイス・マイスタイルとして、ここに正式な見解を示すことにしました。

1.事のあらましについて
 今年の秋頃から、SNS(FacebookやTwitter等)で、「見た目問題」という言葉やMFMSの活動に対して、誤解や事実を捻じ曲げているような投稿が目につくようになりました。
 当初は、よくあるものとして静観しておりましたが、2019年11月17日にFacebookに投稿された内容は、あまりにも一方的かつ身勝手で、MFMSのみならず、活動している多くの人たちへの侮辱ともとれる内容でした。
 具体的には、「見た目問題当事者の弱い部分を巧みに操り」「当事者会が当事者を金でがんじがらめにして」「当事者の活動や心の中に土足でズカズカ入ってくる偽善者」「何も発言できない赤子をただ罵るばかりの対応」「良い前例を台無しにしようとしている」などです。
 また、時間とともにコメントを寄せる人たちが出てきたのですが、その方々は事実を誤認していたり、捻じ曲げていたり、あえて誤解を生じさせるようなコメントをされていました。
 さらに、そのようなコメントされているのは、メディアや公の場で活動をされている方々でした。
 そして、投稿に「いいね!」をしている方々の中には「見た目問題」の研究者や記者の方もおられました。おそらくその方々は、いろんな意見が出てくることを一つの価値として捉えていたのかもしれません。
 一方で、このような状況を見て、苦しく思っている当事者さんもいるのではないかと私たちは気がかりでした。
 案の定、とても心を痛めている方たちがいました。彼ら・彼女らは、今回の非難を目にして、まるで自分たちが責められているように感じて傷ついたそうです。
 このように、ほんの数名の方々の心ない言動で、当事者・非当事者にかかわらず、応援してくれている人たちが傷ついてしまうことは、私たちの本意では全くありません。
 そのような事情から、私たちMFMSとしての見解を、みなさんにお伝えしようと考えました。
 なお、私たちの見解だけを伝えるのではなく、非難している方々の主張も一緒にお伝えしようと思います。なお、投稿やコメントは読みたくないという方がいらっしゃれば、見ないでいただければと思います。

2019年11月17日にFacebookに投稿された内容
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1006008869738315&id=100009876335565

2.「見た目問題」という言葉について
 「見た目問題」という言葉への誤解があるようですので、ここに定義を書いておきます。
 「見た目問題」とは、先天的(生まれつき)または後天的(事故や病気等)な理由で、人目に触れる部分に、特徴的に目立つ症状をもつ人たちが抱える様々な困難をいいます。具体的な症状としては、顔や体に生まれつきあるアザ、事故や病気による傷痕、変形、欠損、麻痺、脱毛等があります。
 このように、定義を読んでいただければお分かりいただけると思いますが、見た目に症状をもつ人たちが困難を抱えてしまう要因は、見た目の症状それ自体にあるわけでも、症状をもつ当事者自身にあるわけでもありません。まわりの人たちの対応にあります。
 つまり、「見た目問題」という言葉は、「見た目に問題がある」ということではなく、「見た目を理由とする差別や偏見などによって生じる問題」のことです。
 とはいえ、言葉は社会の成長や変化とともに変わりゆくものです。「見た目問題」という言葉にけっして固執しているわけではありません。問題解決のために、もっといい名称があれば、変えていくこともありますし、柔軟に考えていきたいと思っています。

3.MFMSの活動について
 まず、MFMSへの正当な批判を言っていただくことは、いっこうに構いません。しかし、事実誤認や偏見に基づいた一方的な非難は、認めることはできません。
 今回の非難の中にも、事実と異なることがいくつか書かれていました。例えば、「人権博物館」について書かれていたので、あらためてご説明します。
 コメントでは、(人権博物館の存続危機の際にMFMSへ協力をお願いしたら)「人権博物館は何をしているのか?不明確な場所なので会としては協力しません!」とハッキリと断られた」というように書かれています。しかし、これは全くの事実無根です。
 MFMSは、署名活動や存続活動をされていたみなさんとやり取りし、博物館に関するQ&Aのチラシの文案をチェックしたり、パブリックコメントについて議論したりなど、いろいろと協力させていただきました。
 また、MFMSのインターネットTV番組『ヒロコヴィッチの穴』でも、「大阪人権博物館(リバティおおさか)なくなっちゃうの!?」というタイトルでこの問題を取り上げ、応援しました(2012年5月23日放送 https://mfms.jp/ustream/2012/0527/vol-62.html)。
 他にも、私たちがとっているNPO活動というものに対して誤解されているようですので、それについても書いておきます。
 多くの方が、NPO活動は、無償のボランティア活動だけをしているものとお考えかもしれません。しかし、事業活動に対して正当な対価をいただき、それを運営資金として活動を続けることが基本とされています。
 もちろん、無償のボランティア活動をされている方々の熱意と行動力に対して敬意を表します。そういうみなさんに救われる方々もいます。
 私たちMFMSも、無償の活動を行う一方で、有償の活動も行っています。
 また、患者会や当事者団体など、年会費制度があったり、イベント参加費をいただいてる会も現にあります。そのような有償の活動をしている方々のことも、ぜひご理解いただければと思います。
 そして、様々な事情から、自分では行動できないけれど、せめて寄付をすることで活動を応援したいという人たちがいることも、あわせてご理解ください。
 金銭が介在することはすべて悪いことであるように書かれてしまうと、傷つく方々がいることをご認識いただければと思います。

4.おわりに
 この件に関しては、これ以上SNS上での議論を続けても不毛かと思います。このような方法は二項対立をあおり、相手を否定するようなことにつながり、結果として良い解を生み出さないと思います。
 そこで、提案なのですが、議論を望むのであれば、公開討論をするというのはいかがでしょう。大勢の方々に見てもらい、それぞれに自由に判断してもらえれば良いのではないでしょうか。
 ただし、本人がいないところで批判するのはフェアではないので、公開討論をするのであれば、主に発言されている方で、かつ、メディア露出の経験があり、または本を出版されたり、講演活動をされている方々を全員巻き込んでやりましょう。


 長くなりましたが、以上が今回のSNS上で展開された非難に対するNPO法人マイフェイス・マイスタイルの正式な見解です。
 たとえ考え方や方法は違っても、問題を解決し、誰もが自分らしく楽しく生きられる社会にしたいという思いはみんな同じはずです。互いの違いを認め合い、尊重しあうこと、そして、多くの人が自由に、安心して意見を言ったり、活動できることが、問題解決のためには必要不可欠です。今後もそのような想いを大切にしながら、活動を続けていきます。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

NPO法人マイフェイス・マイスタイル
代表 外川浩子
Chief 外川正行
理事 豊田文子
理事 冨樫東正

※この件に関するお問い合わせは、info@mfms.jp までご連絡ください。

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