[K]外川浩子が語る、10年目の「見た目問題」解決のポイント

アルビノ理事:粕谷幸司コラム

アルビノ脱毛症熱傷(やけど)眼瞼下垂手術後の傷痕単純性血管腫口唇口蓋裂アトピー性皮膚炎…など。
その「見た目」に症状を持ちながら生活をすることで、当事者たちが直面・内包する問題を「見た目問題」と名づけ、NPO法人マイフェイス・マイスタイルは日々その活動をおこなっています。

ところで、そもそもその「見た目問題」とは何なのか。
そして、NPO法人マイフェイス・マイスタイルは、その「見た目問題」にどのような「解決策」を見出しているのか。
今回は、10月12日放送分のUSTREAM番組『ヒロコヴィッチの穴』 Vol.33 「「見た目問題」の解決とは何か」の内容から、話題を進めていきます。

―――

生まれつき、または事故などで、顔や体の「見た目」に目立った症状を持つ当事者が。
その「見た目」の違いから、街を歩けばジロジロと好奇の目で見られたり。または不自然に視線を逸らされたり、避けられたり。
学校や会社などのコミュニティ内で、無理解からヒソヒソと陰口を言われたり、いわれなき偏見や差別の対象になったりすること。
自分がその「見た目」であるがゆえに大きくストレスを感じ、生きることが苦しいとさえ考えてしまうこと。
それが、MFMSが取り組んでいる「見た目問題」である。

…それは、そう。決して違ってはいないのですが。

それでは、「見た目問題」解決NPO法人を自負するマイフェイス・マイスタイルは。
「環境問題」において、ゴミを減らす・なくす・作らないことを社会に訴えかけていくように。
「公害」や「薬害」などにおいて、その原因をつまびらかにし、被害者と加害者の関係をもって社会を動かすように。
社会問題としての「見た目問題」を声高に叫び、社会一般の意識改革や法整備、賠償や補償をもって解決とするのか。

…今はそれは、少し違うようです。

NPO法人マイフェイス・マイスタイル代表の外川浩子は「「見た目問題」において“社会は敵ではない”」と明言します。
確かに、上に並べ立てたような「世間との摩擦」をイコール「見た目問題」とするならば、社会一般の人々すべてが「その「見た目」を気にしなくなる」というのは、解決策であるとも思えます。
けれども、現実問題、それは不可能に近く、実現性が極端に薄いため、考えにくい。
なぜならば、これが「見た目問題」であり、世の中のほとんどすべての人が“外見(見た目)の印象を無視することはできない”という現実に、向き合って考えなければならないからです。

言ってしまえば、顔などの「見た目」が、ほとんどすべての人の意識の中で、その人を印象づける大きな要因であるということは、まったくもって否めません。
だから、当事者の「見た目」を前に、ドキッとする、尻込みする、距離をおいたり考えてしまう多くの“世間”を、敵視することはできないのです。
そして、敵視できないからこそ「当事者への“見方”を変えてください」と訴えかけるのは、難しい。

ごく普通の人が、ごく普通に「見た目」から受ける印象で相手を見るという、ある種人間の“本能”を前に、「ちがうコト」を「普通だ」と言い張るのには、無理があるということです。

(前回の記事:[K]当事者の“未来像” 当事者の“大人” 当事者の“笑顔”もご参照ください)

それよりは。

「見た目」がちがう人もいる、ということを純粋に受け止めて。
その「見た目のちがい」が“気になってしまうコト”に、どうアプローチしていくのか。
これが、外川浩子代表の言う「見た目問題」の解決策の、大きなポイントとなります。

一般の人が自然に、無意識に「見た目」で人を判断することを、絶対悪として断罪することはできません。
それを素直に認めた上で、当事者に向かって、NPO法人マイフェイス・マイスタイル/代表:外川浩子は「見た目問題」の解決を目指しているようです。

(次回:[K]外川浩子が語る、10年目の「見た目問題」の解決策へ続きます)


ちなみに、粕谷幸司とは・・・

粕谷幸司 – かすやこうじ
日本アルビニズムネットワーク – JAN、Web担当。日本大学芸術学部映画学科シナリオコース卒。IT企業への就職を経て、現在フリー。日本初のアルビノ・エンターテイナーを自認し、ブログ執筆やWebラジオなどで活動中。

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