アルビノのアレックスさん from アフリカ

少し前のできごと。
9月4日(日)、アフリカのケニアからやって来たアルビノのアレックスさんと横浜・中華街でお昼をご一緒してきました。

(写真、左から)MFMSではお馴染みの日本アルビニズムネットワーク(JAN)の矢吹さん
アレックスさん(アフリカのケニアからやってきた!)、そして、
我がMFMSアルビノ理事の粕谷幸司さん(粕谷さんのブログにも、この日のことがアップされています。そちらも、ぜひ!)

食事中、アレックスさんは、「ハッピー、ハッピー」と満面の笑顔で楽しそう!
一緒にいるこちらも、ついついつられて笑顔に。。。

私も、つたない英語で、どうにかこうにか、必死でコミュニケーション(汗)。

 

けれど、アフリカのアルビノの現状について語ってくれたときは、
かなり深刻な内容で、一同、じっと聞き入ってしまいました。

アレックスさんが語った、アフリカのアルビノの人たちが抱えている困難。
それは、誘拐(殺人)と皮膚ガン。

日本でもニュースとして、ときどき情報が流れてきますが、アフリカの一部では、いまだ呪術が信じられていて、呪術で行われる儀式のツールとしてアルビノの人の体の一部が使われるのだそうです。
そのため、アルビノの人たちが誘拐されてしまう事件がおこる。ケニアでの調査によると、1年間で20人以上が殺され、生死が不明な人も10人以上とのこと。(そもそも、アルビノは2~3万人に1人の割合しかいない。にもかかわらず、こんなに大勢のアルビノの人たちが被害にあうなんて・・・。本当に信じられない。)

誤解が引き起こす最も深刻な問題です。

そして、もうひとつが皮膚ガン。
本来、きちんと日焼け対策さえしていれば、アルビノの人たちは皮膚ガンについては特別な心配はいりません。
ところが、アルビノについて正確な知識がないため、アルビノの子どもをもつ親たちが「日焼けをすれば、黒くなる(かもしれない)」と思い、普通の子ども以上に日焼けさせてしまうことも少なくないそうです。結果、大人になったとき、皮膚ガンになってしまう確率が高くなる、と。

防げるはずのものが、知識がないために引き起こされてしまう。なんだかとても悔しい。

そして、誤解という点から、もうひとつ問題が。
アルビノが生まれた夫婦の離婚率は、実に80%以上なのだそうです。
なぜアルビノは生まれるのか、ということに対する正確な知識がないため、
奥さんが白人と浮気したんじゃないか・・・と誤解してしまうのだとか。

 

そんな深刻な話は、けっして笑って聞けるようなことではありませんでしたが、それでも、アレックスはけっして絶望などしていませんでした。
アルビノのことを正確に理解してくれれば問題は解決する。だから啓発活動はとても重要、「日本の人たちにも、もっとケニアのアルビノの現状を知ってもらいたい」と熱く語っていました。

 

まあ、アレックスさんの人柄でしょうねえ。
会食はとっても楽しく、アレックスさんは歌まで歌ってくれました。
そして、「この縁をずっと続けていきましょう、『マイ・フェイス』にも寄稿するよ」なんて言葉まで飛び出すほど、意気投合した私たちでした。

まだまだ話し足りない、聞き足りない・・・と思いつつも、地下鉄に乗って、帰路についたのでした。

アレックスさん、ありがとうございました! いつか、また、必ず会いましょう!

(by 外川浩子/MFMS代表)

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